“髪を切っても怒られない”という現実
先日、久しぶりにお気に入りのヘアサロンに行きました。
伸びた髪をバッサリ切ってきました。
私自身に“DVを受けていた”という自覚が芽生えたことがきっかけで、
『髪を切ってもいいんだ』と思えたため、髪を切ろうと決断しました。
ずっと切りたかった髪。
ずっと行きたかった美容室。
私も女ですから、やはりたまには行きたい美容室。
ずっと自分で髪を切っていました。
ちなみに・・・
節約のためにとか、そういう目的ならいくらでも我慢できるのです。
自分でうまくカットできた際には、気分ウキウキ♪になるくらいです。
ですが、実情が、経緯が違うのです・・・
我が家では、夫は毎月美容室に行き、私は行くことを許してもらえませんでした。
私はもともとショートヘアが好きで、特に小さい子どもがいるとお風呂上りや朝も手入れが楽なので、ショートにしたかった。
でも、それは“許されざる行為”でした。
私が少しでも髪を切ること=夫の地雷を踏む行為、でした。
夫はロングヘアが好きなのです。
ボブでも、ショートボブでもだめ。
ショートカットなんて完全に地雷爆発、逆鱗に触れる行為でした。
私が夫に許可なく髪を切ると、決まってこう言われました。
「また髪を切った」
「俺は長い髪が好きだって言ってるだろ。俺のことを愛してないんだな」
「俺のことが好きじゃない証拠だ。愛情のかけらもない」
「何度も言ってるのに・・・お前とは合わない。無理。やっていけない」
止めに、「もう離婚だ」
そこからは無視。
夫は実家に帰るなどして行方をくらまし連絡が取れなくなる。
生活費をよこさない。
当然子どもは放置。家庭を顧みない。
もうしっちゃかめっちゃかなんですが、夫は至って真剣です。
これらに対し、どこかのタイミングで私が何か言おうものなら、身体的暴力を加えられ、もうぼこぼこにされました。
子どもがそばにいようと、見ていようとまるでお構いなしです。
しかも、「うぉおおおおーーー」とか「ああああああああーーー」とか、奇声を発して殴りかかってきて、奇声を発したまま殴り続けたりで、いつもぼこぼこでした。
今回のように、意を決して髪を切る辺りが、私がまだまだDV被害からの脱却ができていない証拠のように感じられます。
先日のDV夫とのニアミスの際には、私はすでにショートカットでした。
私のその姿を見られでもしたら、何を言われるか、されるかわからない、そう思い、怯え、恐怖で震え、身を隠しました。
あの日から、夢見が悪いです。
私は、夫に首を絞められたことがあるのですが、そのことが夢に出てきます。
髪を切ったことをずっと非難される夢です。
目が覚めると、ぐったりと疲れ、身体はこわばり、夢か現実かの区別が一瞬つきません。
夢があまりにリアルであるためです。
それでも、今は、何とか自分を現実に引き戻すことができます。
これは、DV被害から、回復してきている証拠ではあると思います。
少し前は、殴られた箇所や首や顔、頭、身体に殴られた後のような痛みが出ましたが、今はそれはありません。
ちなみに、こういったことというのは、DVを受けた身体の記憶として実際に起こることなのだそうです。
ともかく今はまだ、毎日、事あるごとに、私は自分に言い聞かせるのです。
「大丈夫。いいの。髪を切ってもいいの。それは私の自由」と。